紙資料のデジタル化は紛失も防げる

●NG:紙資料は別管理→OK:紙資料もデジタル化して一元管理

仕事をする上で欠かせない紙の書類。紙資料はできるだけデジタル化しておくことで紛失が防げますし、出先などで必要になった時に見ることもできます。紙資料は保管スペースも取りますし、デジタルファイル以上に、必要なものを探すのに手間がかかります。PDFかjpegのどちらかの形式でデジタル化して一元管理しましょう。

・PDFで保存

PDFとは、Portable Document Formatという、WindowsやMacなどのPC環境はもちろん、タブレット、スマートフォンなどほぼ全ての環境で、ほぼ同様の状態で文章や画像を閲覧できる特性を持った電子文書の形式です。他の人とのやりとりがしやすいのもメリットです。資料のページ数や文字数が多い場合には、PDF化するのが向いています。また、長く保管するような資料もPDF化しておくとよいでしょう。プリンターについているスキャナーを使えば手軽ですし、ハンドスキャナーも安価なものが多くあります。

・jpegで保存

jpegは画像の保存形式として知られています。資料の量が少ない場合や、あまり長い期間保存しておく必要のない通知、ちょっとしたメモなどはスマートフォンのカメラで撮影しておけば十分です。

クラウドや共有フォルダに最新版を

●NG:一定期間毎にバックアップをとる→OK:全てのファイルをクラウド化

企業で仕事をしているとできない方も多いかもしれませんが、クラウドのファイル管理サービスを使うとバックアップの手間が圧倒的に省けます。私はパソコンやタブレットを複数所有しており、仕事の内容によって持っていく機器を使い分けているため、全ての機器から最新状態のファイルにアクセスできるクラウドサービスは必須です。

会社支給のパソコンでは、社外のクラウドサービスは許されないことが多いと思います。そういった場合でも、社内のデータベースや共有フォルダなどには常に最新版や重要なファイルを保存しておくようにしましょう。パソコンが壊れたり紛失したりした場合、個人のパソコンにしか最新ファイルや重要なデータがないと、定期的にバックアップをとっていたとしても、最新の状態に戻すのは大変な手間がかかります。

特に写真などの画像ファイルは、ファイル名をつけるのもフォルダ管理するのも手間がかかるので、クラウドに全てあげておくとよいでしょう。画像認識の精度は日に日に向上しているため、ファイル名やフォルダ名などをつけなくても、例えば「ホワイトボード」、「会議」などキーワードで簡単に検索できます。

テクノロジーの進化によって、管理の手間はだいぶ削減できますし、生産性向上にもつながります。新年度の初めにファイル管理を見直してみるご参考になれば幸いです。

清水 久三子(しみず・くみこ)
アンド・クリエイト社長
お茶の水女子大学卒業。大手アパレル企業を経て、98年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現IBM)入社。新規事業戦略立案、人材開発戦略・実行支援などのプロジェクトをリードし、企業変革戦略コンサルティングチームのリーダー、IBM研修部門リーダーを経て、2013年独立。『プロの学び力』『プロの課題設定力』『1時間の仕事を15分で終わらせる』『一流の学び方』『外資系コンサル流・「残業だらけ職場」の劇的改善術』など著書多数。http://andcreate-official.com/
(写真=iStock.com)
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