言葉がけひとつで仕事も人生もうまく回りだす! スポーツ、教育における第一人者が実践していることとは。
魔法の言葉:褒めるタイミングを逃すと、泥沼にはまり込む
鍛治舎 巧

スランプに陥った選手、伸び悩んでいる選手へのアドバイスの秘訣は、シンプルにすることです。袋小路に入り出口が見つからず困っているわけですから、複雑な話をしてもますます迷うだけ。出口を一点に絞ることが大事です。そして何より重要なことは、目標を実現できたと見たら、“間髪入れずに褒める”こと。「やったじゃないか! 今、できたな!!」と。これは本人に“できた”という手応えを確実に認識してもらう狙いが1つ、さらに「監督は自分のことを常に気にかけて見てくれているんだ」とわかってもらう狙いがあります。褒めるタイミングを逃すとどうなるか──。選手は、泥沼にはまり込んでしまう。

岐阜県立岐阜商業高校野球部監督 鍛治舎 巧氏

これは、上司と部下の関係でも同様です。昔であれば、部下が目標をクリアしたり、ちょっとした課題を克服しても、上司は心でニンマリしながらも素知らぬ顔をしていましたよね。「あいつもなかなかやるな」「よくできるようになったな」という想いを口には出さず、心にしまい込んでいた。でも、今の若者には、それでは伝わりません。