楽天ユーザー「ポイントは貯まるが、使いやすさに不満」
NPSとは、企業への愛着や信頼を数値化したもの。顧客満足度と比較されがちな数値ですが、プラスであればあるほど、企業の収益性に直結するといわれています。
アマゾンのNPSはマイナス17.7%であるのに対し、楽天はマイナス35.9%。倍の差のスコアが出ています。エモーションテックによると、日本のウェブサービスの平均スコアはマイナス28%ほど。アマゾンは顧客の信頼を得ているといっても過言ではないでしょう。また、プライム会員に絞ったNPSだと、プラス8%という高得点を得ており、それがアマゾンへの囲い込みにつながり、ひいては利益にもつながっていることがわかります。
逆にNPSが平均以下の楽天は、不満を抱えながら使っているユーザーが多いことがわかります。プレミアム会員ユーザーのNPSもアマゾンの平均値より低いマイナス19%です。
調査では、楽天ユーザーの多くがポイントの貯まりやすさや商品の豊富さに魅力を感じているという結果も出ました。その半面、サイトのデザインや商品比較のしやすさにはネガティブな感情が出ています。つまり、「アマゾンで検索して、楽天で購入する」というユーザーは、「楽天は目当ての商品が見つけづらいから、アマゾンで商品を検索してポイントの貯まる楽天で買う」という行動を取っていると推測でき、楽天ユーザーもアマゾンのUI/UX(ユーザー体験)は秀逸だと認めているといえます。
アマゾンユーザーも同様に、欲しい商品を吟味し、価格が同額でお急ぎ便などを使う必要がない商品であればポイントの付く楽天で購入する、という行動を取っているのでしょう。
ポイントというメリットが目立つものの、楽天のサービス内容には改善の余地が大きいです。前述のように、ポイントによってユーザーをつなぎ止める戦略を取ってきた楽天ですが、エモーションテックによると、「ポイントの貯まりやすさには魅力を感じるが、ポイントの使いやすさには不満を感じている人」が相当数いるとの分析結果も出ています。