ファッションもシェアする時代

【田原】箱に入れる3着はどうやって選ぶんですか。ユーザーが何を着たいか、よくわからないですよね。

【天沼】そこが私たちのサービスのキモですね。洋服との出合いをつくるためには、まずお客様のファッションの好みや望む将来像を知る必要があります。そうした情報を分析するため、登録時にさまざまな質問に答えていただきます。たとえばお体やいつも着ている洋服のサイズを登録してもらったり、ファッションスタイルの写真を見せて、その中から好きなものを選んでもらいます。そういったデータのほか、「二の腕を隠したい」などのお悩みのコメントを書いてもらって、一人ひとりのカルテをつくり、それを基にスタイリストが3点を選びます。

【田原】社内にスタイリストが?

【天沼】社内、社外、両方います。社外はクラウドソーシングのスタイリストで、150名以上の登録があります。

【田原】貸す服はどうするんですか。

【天沼】ブランドから仕入れています。現在、ブランド数は300以上。卸からまとめて買うのではなく、ブランド一社一社と直接お話しして買い集めています。

【田原】客の好みは登録時にわかるから、それに合わせて仕入れる?

【天沼】いや、仕入れが先です。予測したお客様数に合わせて事前に仕入れておかないと間に合わないので。

【田原】先に仕入れると、客の好みと合わないハズレも出てきますね。

【天沼】そのリスクを減らすためにターゲットを絞っています。ファッションレンタルというと10代後半から20代の若い層を想起する方が多いですが、私たちのターゲットは忙しい女性たち。年齢層でいうと20代後半から40代で、9割以上が働く女性、4割弱がママさんです。その層はオフィスカジュアルなどコンサバなファッションをお選びいただくことがわかっているので、その中から選べばハズレを少なくできます。

【田原】仕入れた服はどこに置く?

【天沼】株主でもある寺田倉庫に委託して管理しています。バイヤーが買ってきた洋服は、倉庫に入れるときに採寸し直して写真を撮影。それをシステム上でスタイリストが選び、ボックスに入れてお届けします。

【田原】返送された服も倉庫ですか。