配偶者の不倫を知ったとき、「許して楽になりたい」と願っても、「怒り」から自由になるのは難しい。相手が責任を認めない限り、脳は「怒り」や「苦しみ」を繰り返そうとするからだ。ではどうすればいいのか。心理学者のハリエット・レーナー氏は「数年はそれまでどおりの生活を崩さずに続けること」と説く――。

※本稿は、ハリエット・レーナー(著)、吉井智津(翻訳)『こじれた仲の処方箋』(東洋館出版社)の11章「心の平和を見つけるには」を再編集したものです。

脳は苦しみを繰り返すという反応をしてしまう

悪いことをしても謝らない相手が、絶対に責任を認めようとしないとき、私たちの脳は、苦しみを繰り返すという反応をしてしまう。傷ついた側の怒りは理にかなったものかもしれないが、それは生産的な問題解決にはつながらず、ただ脳の中に大きくネガティブな溝をつくり、睡眠の邪魔をするだけだ。