子どもの頃、架空のお話を作る遊びをしたことはないだろうか。同じ素材でも、荒唐無稽なお話が飛び出すなど、ストーリーは多彩だった。

そんな「物語を作る能力」は仕事の場でも生かすことができる。状況・解釈・行動と、それに伴う「How to do?(以下HTD)」をストーリーにして考えることで問題解決を図る思考法を「ストーリーシンキング」と呼ぶ。

ストーリーで問題は解決する

ストーリーで問題は解決する

「『空・雨・傘・HTD』でストーリーを考えることをお勧めしている」とA-10代表取締役の中川邦夫氏は言う。空(状況、自分が直面している問題や起こっている現象)、雨(解釈)、傘(状況と解釈から導き出される、取るべき行動)から、問題や現象が生じたときにどう解釈し、どうするのがベターなのか(What to do?)を論理的に導き、HTD(どのように実行すればうまくいくのか)を考えるというものである。

中川氏がマッキンゼー社東京事務所に入った1982年当時から「空・雨・傘」という言葉はあった。時に「コンサルタントがこんな当たり前のことを言っても価値がない」といった戒めにも使われるほど、コンサルタントにとっては馴染みのある概念だった。

なお、ストーリーシンキングの場合、ストーリーはどんどん広げていいし、むしろ脇道を考えることが大切だ。最大の注意点はHTDも併せて考えることだ。複数のストーリーを想定し、ベターなものを選んだうえで解決策となるHTDを作り込む。文字通り、「空・雨・傘」のストーリーを作って他人に丸投げするだけでは、人は動かないので注意が必要だ。

(ライヴ・アート=図版作成)