幹細胞ビジネスの社長は「プーチン感」の漂う外国人

幹細胞ビジネスの会社の社長は某国の大統領に似ており、いわば「プーチン感」の漂う精悍な外国人男性。「幹細胞治療は全世界で進んでいます。医療業界はパラダイムシフトを迎えます」などとおっしゃっていました。

そして実際に治療を受けた人々が壇上で報告。すべて日本人の男性でした。

「弟が(点滴を)受けたんですが、20歳くらい若くなって、ハゲていたのに毛が生えてきました。男性機能も復活しました。モテて、逆に家庭不和になりそうですが……」

続いて肌がツルツルの男性患者の報告。
「私はずっと化学物質過敏症に悩んでいました。いろいろ試しましたが効果がなく、わけのわからない病気にはわけのわからない治療が良い、と思って点滴を受けました。2、3度繰り返すとドラマティックに変貌し、もう症状はありません」

イラスト=辛酸なめ子
▼髪の毛も生え、便通が良くなる点滴 1本200万円也

またもや年齢不詳の男性の報告。
「幹細胞(の点滴)を打つ前、右手の親指が動かなかったのですが、それが2カ月で動くようになりました。髪の毛も生えてきて、便通も良くなり、睡眠もよくとれるように。首を動かしてもピキッといわなくなりました」

また、別の男性の話。
「どんな薬でも治らなかった小児ぜんそくが治り、前立腺肥大だったのも3回の(点滴)治療で良くなりました。視力も悪かったのが、点滴を入れて寝て起きて目を開けると、目が良くなっていて世界がこんなにすばらしいのかと感動しました」

など、万能すぎる幹細胞。これだけ全身に効果があるのならさぞお値段も……と思い、知人に聞いたら「1回200万円くらいです。日本では認可されていないので、アジアだとベトナムやマレーシアで点滴を受けなければなりません」。この知人の男性もすでに打っていてすこぶる体調がいいとのことですが、この価格は私には明らかにハードルが高すぎです。