4つめは健康にいいから

安倍晋三首相はよくゴルフをしますが、その理由のひとつは、体を動かしてあえて疲れさせることで、質の高い睡眠をとるためではないでしょうか。首相とはそれほど神経を使う仕事なのです。神経を使う仕事という意味では、経営者も同じです。激しすぎない適度な運動でそれなりに体力を使うゴルフは、経営者の健康を促進する効果もあるといえます。

首相時代の田中角栄を拒んだ名門ゴルフ場

しかし、ただゴルフをやれば一流の人になれるわけではありません。

例えばゴルフ場。どこでプレーするかは一流と二流を分ける大きな違いです。東京近郊だと東京ゴルフ倶楽部や霞ヶ関カンツリー倶楽部、小金井カントリー倶楽部、程ヶ谷カントリー倶楽部、那須ゴルフ倶楽部、軽井沢ゴルフ倶楽部。関西では廣野ゴルフ倶楽部などが名門ゴルフ場として一流の経営者に人気があります。

会員になれれば結果的に人脈が広がり、インナーサークルで交わされる密度の濃い情報を得ることができるようになるのです。ただ、これらのゴルフ場は、会費さえ払えば誰もが会員になれるわけではありません。入会審査は厳しく、会員権譲渡は原則不可。複数の会員の紹介がなければ入会できません。スリーハンドレッドクラブというゴルフ場は、会員を300人以上増やさないことで有名です。

例えば、ある大企業の経営者は、会員になるための面接を受けたものの落とされてしまいました。面接で入会したい理由を問われたときに、「人脈を広げたいから」と答えたのが原因のようです。名門ゴルフ場は、人脈づくりを目的にしてがつがつしている人には門戸を開いてくれないのです。

首相時代の田中角栄も、軽井沢ゴルフ倶楽部の会員になることを切望しましたが、叶いませんでした。ある日曜日、田中角栄が総理大臣だったときにアメリカ大使を連れ、プレーさせてほしいとやってきたそうです。白洲次郎理事長は「日曜日はメンバーズ、オンリー」と流暢な英語で断った。時の総理でも飛び込みでプレーさせなかったのです。泡を食った角栄は白洲次郎を睨みつけてから、別のクラブに行ったといわれています。それほど名門ゴルフ場の壁は厚いのです。