一人暮らしより「お得」な寮費

寮費は「一人暮らし」よりもリーズナブルです。学部学生寮の寮費は初年度合計で約31万円~約57万円。これは、入寮費と年間在寮期間である10カ月間(7月と8月を除くため)の費用合計です。部屋代と光熱水費、インターネット回線使用料が含まれています。

寮によって金額が異なるのは「築年数で差があることや、各寮で部屋の大きさや、1人部屋か2人部屋かなど、施設・設備等に違いがあるため」(国際基督教大学学生サービス部)とのことです。

大学本館前に広がる芝生広場。昼休みには芝生に座って昼食を食べる学生の姿が見られる。

ICUのキャンパスがある東京都三鷹市の家賃相場はワンルームで6.68万円(LIFULL HOME'Sより。8月1日現在)。年間では、家賃だけで約80万円になります。光熱水費を考えると、寮費よりも安い金額で一人暮らしをするのは難しいでしょう。寮に入れば、生活費は安く、さらに多数の留学生と英語でのコミュニケーションもできるとなれば、「4人に1人以上の学生が入寮を希望している」(国際基督教大学学生サービス部)というのもうなずけます。

ただし、生活環境が学内中心になるということは、相応のデメリットもあります。学外での活動に多くの時間を割きたい人には向きませんし、大学の雰囲気に馴染めないと息苦しいこともあるでしょう。

それでも最寄りの武蔵境駅から新宿駅まではJR中央線で19分。三鷹市という便利なところで、リーズナブルな「留学気分」を味わえるとすれば、寮は魅力的な選択肢ではないでしょうか。寮生が増え、ICUの独特の校風には、これからさらに磨きがかかりそうです。今後より個性的な卒業生が輩出されることを期待したいところです。

飯田 樹(いいだ・いつき)
フリーランス編集者・ライター。1989年生まれ。2011年国際基督教大学教養学部卒業。13年早稲田大学大学院政治学研究科修了、マイナビ入社。「マイナビニュース」編集部の編集記者、その他ウェブ媒体運営企業での編集職などを経て、独立。主な分野は、教育、働き方・キャリア、ITなど。
(写真提供=国際基督教大学)
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