不思議な空気感漂う4つの特徴
不思議な空気感が漂う「社員にやさしい会社」。そんなココネの特徴をあげてみよう。
(1)出社後のストレッチと瞑想
最近はマインドフルネスを導入する企業が増えているが、同社も身体と心の健康のために、出勤後に瞑想とストレッチをする。最初は社員たちも意味がわからなかったというが、脳科学で効果が検証されるようになり、研修で効果を説明をした上で導入している。「一人ではなかなか続かなくても、出社したらまずみんなでやるという文化にすれば、続けられます」(石渡)。
(2)社員シェフによる朝食と昼食提供
専任シェフを社員として雇い、昼食だけでなく朝食も提供する。朝食はオリジナルのフレッシュジュースと野菜たっぷりスープが無料、昼食は日替わりメニューにサラダバーが付いて300円。「妊婦さんがいたら糖分の摂り過ぎはよくないので砂糖抜きのジュースが出たり、鶏肉が苦手な人がいたらこっそり抜いた料理を提供したり。外注ではこうはなりません」(人事部部長・北村公一氏)と至れり尽くせり。
シェフも社員の体調を気遣いながら家族のように接する。 野菜たっぷりの手作り料理を提供するようになってから、社員食堂の利用者は2倍に増えた。社員同士の懇親等を目的に、レストランのような雰囲気の社員食堂も新設したばかりだ。
(3)就業中いつでもジムが利用可能
社内にトレーニングジムを設置し、社内健康士と呼ぶトレーナーを2名配置している。さらに就業時間中はいつでもジムを利用することができ、しかも休憩時間にもカウントされない。トレーナーも社員で、個々の運動・栄養・休養のバランスを考えたメニューのもと健康全般の指導やアドバイスをしてくれる。
利用者が伸び悩む時期もあったというが、社内健康士がタオル片手にオフィスを回り、「肩が凝っていませんか。ストレッチしてみませんか」と声をかけ、席で3分ストレッチを実施するようにしたところ、効果を実感した社員が通うようになった。「今は社員の約3分の2がジムに登録し、行けばほぼ誰かがいます」(石渡)。
(4)10日間にわたる評価プレゼン
評価と言えば直属上司とメンバー間の面談で終わる会社が大半。しかしココネは「評価プレゼン」と呼んで、CEOはじめ役員全員、さらにマスタークラスという最上級グレード社員、人事部長、直属上司が立ち会って、一人ひとり20分の自己評価を聞く。
「メンバーに語りかけながら心が触れ合う対話が生まれました。自己否定が強い人には“できているよ”とフィードバックし、リーダーなのにメンバーの話をしないで自分の成果ばかり話す人にはリーダーとしての行動を促し、再度プレゼン資料を作り直してもらいました。結果が出ない人に対しては、気づきと次の成功体験を一緒に探すみたいな感じの対話の機会です」(石渡氏)
10日間にもわたる評価プレゼンの間、経営者の業務は多少滞っても、有意義な時間だったと石渡氏も北村氏も満足げだ。