緊迫を伝える報道がエスカレートする朝鮮半島情勢。その「本当の緊張度」はいかほどなのか。航空自衛隊の元北朝鮮担当者が緻密に分析する――。
「軍事パレード」で消耗しきっている
アメリカと北朝鮮の間で、強硬発言の応酬が続いている。「米朝戦争が始まるかもしれない」と有事に備える動きもあるが、筆者はアメリカと北朝鮮の双方とも、ミサイルなどによる先制攻撃に踏み切る可能性はゼロだと考えている。
まずは北朝鮮側の動きについて述べよう。有力な理由のひとつは、北朝鮮の強硬発言の内容が、普段の「アメリカ非難」と大差ないことだ。たしかに北朝鮮は朝鮮中央通信などの国営メディアを総動員してアメリカ非難を続けている。だが、言葉や表現こそ過激なものの、冷静に文脈を読み、これまでの北朝鮮の声明と比較してみると、北朝鮮の強硬発言は「抑制された」「いつも通り」のものだとわかる。
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