AI技術を組み込んだ五感認識プラットフォーム
現地時間(3月1日16時)、2月27日よりバルセロナで開催された世界最大のモバイルビジネスの見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC2017)」。この見本市は、かつて文字どおり携帯電話などのビジネスのためのものだったか、ここ数年はモバイルという枠を超えて、自動運転やAI(人工知能)ロボット、5G(第5世代移動通信システム)やVR(仮想現実)、先端医療やインダストリアル4.0など、すべて経済成長要素を飲み込んだカタチとなっている。今年は10万人を超える来場者が世界中から集まってきた。
3日目のカンファレンスのKeynote10で「Conversational Commerce(会話型コマース)」をテーマにしたセッションが開催された。Twilio Kik、Boxeverといったメッセンジャーアプリ・サービスの各国プレイヤーに続き、4番手として登場したのが、日本のLINE社の出澤剛(いでざわ・たけし)社長だ。ここ出澤氏は、同社の従来のメッセジャーサービスとは異なる、AI技術を組み込んだ五感認識によるIoTプラットフォームサービスをこの初夏に公開すると発表した。
今回、特別に単独インタビューを行い、新サービスの内容や思いを含めて語ってもらった。
このサービスは、クラウドAIプラットフォーム「Clova(クローバ)」というもの。AI(人工知能)を組み入れ、音声以外の人間の五感を感知コントロールすることで、生活の中のあるあらゆるIoT機器につなげていくというコンセプトを持つサービスだ。
「クローバ」と、スマートフォンや専用デバイスに話しかけると、音声で会話をしたり、ニュース、天気・占い情報、コマース、カレンダー、翻訳などサービスを利用したり、音声で家の電気のオンオフなどを行うホームコントール、音声専用コンテンツを読み聞かせできるオーディオブックなどを利用したりできるという。近い将来には、Amazonエコーのような音声によるオンラインショッピングも可能かもしれない。