優秀な人材の確保のためのダイバーシティ
実際、キャリアやダイバーシティについてオープンに対話を図る企業ほど、世界的に業績がよいのだという。からくりは簡単だ――「そのような企業は優秀な人材を確保できるので、当然業績もよくなるのです」。ヘイズは世界33カ国・248拠点で事業を展開しており、世界のさまざまな企業を知るライト氏の見解に間違いはなさそうだ。
オープンで多様性に富んだ環境に身を置くことにより、企業も自分も繁栄するという好循環が生まれるとすれば、環境は重要と言わざるを得ない。
これは、女性起用を進めたい企業にしてみれば、「環境を整えよ」というメッセージといえる。日本では働きたくても働けない女性が342万人ともいわれている。ライト氏はすぐにできることとして、育児施設の設置をあげる。これは男性社員にとってもメリットがあるという。
また、出産後の女性に復帰してもらうために企業ができることとして、「キャリアを重ねていきたいというモチベーションのアップのために何ができるのかを考えては」と提案する。
ヘイズの給与調査では、多くの日本人が現職にとどまる理由として、「キャリアアップが図れる」を挙げている。機会を提供することはリテンションや女性の職場復帰にプラスの効果を与えそうだ。