会社はもうかっているか? 数値で捉えて、原因を探ろう
まずは(1)「収益性」という言葉で表される指標についてです。収益性は、損益計算書に出てくる各種の利益を売上高で割って求めます。売上からどれだけ各種の利益を算出したかという指標が「収益性」になります。
連載第1回で取り上げた「損益計算書の中でも大切な2つの利益」を覚えていますか? 「営業利益」と「当期純利益」でしたね。
営業利益とは、本業による利益のことでした。
ですから、(1)「収益性」のうち、たとえば営業利益率は、営業利益÷売上高×100(%)で求めます。また経常利益率なら、経常利益÷売上高×100(%)という具合です。
【指標を活用するためのポイント】
大事なことは、計算したらその数値をチェックし、次のアクションを決めることです。例えば営業利益率が前年より下がっていたら、売上に比べて売上原価や販売管理費(コスト)がかかってしまったということになります。それが計画通りであれば問題ありませんが、そうでなければ、原因を考えて、次の年には同じ問題を起こさないようにしなくてはなりません。
宣伝広告費が増えたことで営業利益が前年よりも減ったということが決算書で分かったとします。まず「前年より2割増しになっている」というように現状を数値で捉えます。そして、その原因を追求します。複数社からの見積書の取り方が甘かった、あるいは予算の決め方が適切ではなく、コストがかさんだ結果、営業利益を減らす一因になったとすれば、やるべきことは決まってきますよね。
このようにして、自分の部署が損益計算書のどの費用に関わっているのか、あるいは売上を作っているのか、そうした観点から担当業務を見直してみましょう。会社全体の利益と自分の仕事がリンクして、実務の進め方に対する意識も変わってきます。