いずれにしても叱ることには、とてもエネルギーを使います。褒めるときは気持ちのいいことを言うわけですから、準備していなくても言葉がポンポン出てきます。ですから、叱る場面に対しては必ずシミュレーションして望むように心がけています。「こちらがこう言ったら、相手はこういう感情になるんじゃないか、でも言わないといけないからどう言おうか」と、あれこれ想像してみます。それでも部下は一律一様ではないので、実際は反応を見ながらすすめていくことになります。
いざ話し始めて、部下が納得していないだろうと感じたときには、途中から叱り方を変えたり、それでも納得しないでドアの外に出ていってしまったら、その部下の同僚や直属の上司にフォローを頼んだり、といった配慮をします。
叱るときは、深呼吸して、感情的にならないように、話し方もふだんよりゆっくり。そうすると相手の反応やうなずき方というのがわかります。間をとるというのでしょうか。ただあんまりスピードを遅くしてもかえって怖いと言われることもありますから、そこは注意して(笑)。
内容を全体に伝えたい場合に限っては、わざとみんなの前で叱ることもあります。周りで聞いている人たちも「そうだよね」と、気を引き締めますから。