※本稿は、大塚篤司『大学病院の美容皮膚科医が教える 最新医学でわかったシミ・シワの「消し方」』(朝日新聞出版出版)の一部を再編集したものです。
なぜシミ・シワの少ない人がいるのか
まず、シミとシワが何かを簡単に説明しましょう。
●シミ:肌の表面に現れる茶色や黒っぽい色素沈着。主な原因は紫外線によるメラニン色素の過剰生成です。年齢とともに肌のターンオーバーが遅くなると、メラニンが排出されにくくなり、シミが濃くなったり増えたりします。
●シワ:肌の表面に刻まれる溝や線。コラーゲンやエラスチンの減少による弾力低下が主な原因です。加齢、紫外線、乾燥、表情のクセなどが複合的に関与し、深いシワやたるみにつながります。
同じ年齢でも、シミやシワの目立ち具合に差があるのはなぜでしょうか? それは、単一の理由ではなく、様々な要因が複雑に絡み合っているからです。主な4つの要因を以下に挙げます。
見た目年齢に影響する習慣
①紫外線対策の差――「光老化」を防ぐ意識の有無
肌老化の最大の原因である紫外線。その対策をどれだけ意識して行っているかが、大きな差を生みます。
・紫外線対策をしている人:日焼け止めを習慣的に使い、帽子や日傘なども活用して紫外線をブロック。日々のダメージ蓄積を最小限に抑えることで、メラニンの過剰生成やコラーゲンの破壊を防ぎ、シミ・シワの出現を遅らせます。
・紫外線対策をしていない人:無防備に紫外線を浴び続けることで、肌は常にダメージを受け、老化が加速します。「少しの時間だから大丈夫」という油断が、年月を経て大きな差となります。
②生活習慣の違い――細胞環境を整えるか、乱すか
肌細胞は、日々の生活習慣から大きな影響を受けています。
・栄養バランスの良い食事:ビタミンC・E、ポリフェノール、オメガ3脂肪酸など、抗酸化作用のある食品を積極的に摂る人は、活性酸素によるダメージを防ぎ、コラーゲン生成をサポートできます。緑黄色野菜や果物、青魚、ナッツなどを意識して取り入れているかがポイントです。
・十分な睡眠と適度な運動:質の高い睡眠は、肌細胞の修復を促す成長ホルモンの分泌に不可欠です。また、適度な運動は血行を改善し、肌に酸素と栄養を届け、老廃物の排出を助けます。
・喫煙や過度な飲酒:喫煙は肌のハリを奪い、シワを深くします。過度な飲酒は肌を乾燥させ、栄養吸収を妨げ、老化を早めます。これらの習慣の有無が、見た目の年齢に影響します。