問題を捉え直すために、「そもそも」を問う
私たちの日常は問題解決の連続ですが、問題の全体像を共有していないと他者とうまく協働することはできません。連載第2回「指示が伝わらない! あなたと部下は本当に同じ“もの”を見ていますか?」(http://woman.president.jp/articles/-/562)で、問題の全体像をとらえるためには因果関係や方法を問う論理思考=ロジカルシンキングが有効だとお伝えしました。今回はそれとは違ったアプローチとして、水平思考=ラテラルシンキングという考え方をご紹介します。
ラテラルシンキングとは問題とされている枠組み自体を疑い、視点を変更することによって新しいアイデアの獲得を目指すアプローチです。視点を変えるうちの1つである「前提を疑う」とは、簡単に言えば問題の「そもそも」を問うことです。
つまり、1つの物事を垂直に深く掘り下げる方法がロジカルシンキングであるならば、異なるベクトルに考えを拡散させ、まったく異なる解決策を考える方法がラテラルシンキングです。ラテラルシンキングに基づいた視点から問いかけることによって、ロジカルシンキングとは異なる形で他人と問題の全体像を共有し、自分たちがどのような文脈で話をしているのかをつかむことができるようになります。
ラテラルシンキングにおいては、例えばブレーンストーミングのように、連想されるものを次々に挙げることで発散していったり、「そもそも」の前提を疑いながら今あるものと異なるものとを組み合わせたりして、新しい視点を生み出していきます。
それでは、実際にはどのようにラテラルシンキングを用いて「前提を問う」ことで、新しい視点での問題の共有ができるのでしょうか?