キャリアを積むコツ

「正社員をいったん辞めて再就職するのは、思っているほど簡単ではない」と大竹さんも金澤さんも口をそろえる。

【写真左】はぴきゃり代表取締役 金澤悦子さん【写真右】ファイナンシャルプランナー 大竹のり子さん

「キャリアがある人ほどそれなりにいい条件のところに再就職できると思いがちですが、自分のイメージと現実にはギャップがありますね」(大竹さん)

「経験のある仕事に就くとしても、以前とは勝手が違っているので、もう一度やり直すというくらいの謙虚な姿勢が必要。それができずに最終的にもめるケースが多いですね」(金澤さん)

そんな高いハードルを乗り越えて再就職するには“声をかけてもらえる自分”をつくっておくことが大切だ。

「ブランクがあっても再就職している人は、前職の上司や同僚、友人に紹介してもらっている“口利き就職”のケースが多いですね。その人の働きぶりや人柄がわかっている分、有利に働くのです。だから20~30代のときに、いかに与えられた仕事に一生懸命取り組んでおくかということが大事になってきます」(金澤さん)

マネー管理&投資のコツ

「このコースは世帯収入の増減が激しいので、減ったときに対応できるようにしておくことが重要。理想は夫の収入だけで暮らせること」と大竹さん。

貯金も無理のないプランで。たとえ正社員時代に老後の資金として毎月10万円の保険を積み立てていたとしても、退職するとその支払いは厳しくなる。解約して引き出して、といった使い方のできる投資信託など、機動力のある積み立て方法がよいという。また不動産投資は主婦にもおすすめだとか。

「私は“簿外資産”という言い方をするのですが、たとえば投資用マンションを持っていれば、家計に影響のないところで、ちゃんと自分名義の資産が積み上がっていく。キャッシュフローがとんとんでも家計には影響しません。専業主婦になると、なかなか自分名義の資産はたまっていきませんが、そういったものを正社員時代に買っておくとつぶしがききますよ。それこそ離婚や旦那さんが亡くなったときのリスクヘッジにもなります」(大竹さん)

はぴきゃり代表取締役 金澤悦子
東京都出身。1991年、リクルート入社。営業に従事し、新人MVP賞を受賞。広告営業局局次長、広報室室長を歴任するも、仕事との距離感がつかめず心と体を痛めてしまう。これをきっかけに、「幸せに働くってどういうこと?」という問いへの答えを求め、2001年、総合職女性のためのキャリア転職マガジン「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊、編集長に就任。05年独立。
ファイナンシャルプランナー 大竹のり子
1975年生まれ。編集者を経て独立。だれもが気軽に利用できる女性による、女性のためのマネー相談サービスを実現したいとの思いから、2005年、エフピーウーマンを設立、代表取締役に就任。経営の傍ら、講演や執筆、TV出演など、幅広く活躍している。『マネーセンスを磨けば、夢は必ずかなう!』(東洋経済新報社)などお金の分野での著書は40冊以上。