コストも高い!

もうひとつ、コストがかさむということも知っておく必要があります。

普通に投信を買うときには購入手数料がかかりますが、ラップ口座では購入手数料が不要なものの、資産の2%(1%台後半~2%台など、金融機関によって異なる)、といった形でラップ口座の手数料がかかります。

さらに投信を保有している間は、投信の信託報酬(投信の運用手数料)がかかります。信託報酬は0%台後半から2%程度など、投信によって異なります。

ラップ口座の手数料と信託報酬を合計すると、コストは3%程度にのぼります。たとえばコストが3%かかる場合、資産が5%値上がりしても実質的なリターンは2%ですし、3%以上値上がりしなければリターンは得られない、ということです。仮に資産が値下がりしても、コストはかかります。

運用で成果を得るにはコストを抑えることが大切であり、その意味で、ラップ口座の手数料は高いと言わざるを得ません。

ラップ口座は魔法ではない

「ということは、ラップ口座は使わない方がいいってこと……?」(友人)

Yes。とく投資経験が浅い人にはラップ口座はお勧めしません。

そもそも投資経験が浅い人が一度に数百万円もの資金を投資するのは危険であり、まずは少額で投資を始めて、慣れてきたら金額を増やしていくというのが王道です。

また人に任せるのではなく、どんな投資先があって、どれが合っているのかなど、少しずつ経験を積んだ方が「経験という資産」になると思います。

「プロといっても魔法使いではない」、ということを友人に伝えます。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。