儲かるとは限らない!

ここまで説明すると、友人は「よさそう~」と言いました。

「コンサルを受ければ自分に適した投資方針を導き出してもらえそうだし、専門的な知識がなくても投資ができるってことでしょう? 途中のメンテナンスもしてくれるから時間がなくてもいいしね」と言うのです。

甘い! 果たして、そんなにオイシイことばかりではありません。

強調しておきたいのは、金融機関に任せたからといって、絶対に希望通りの投資成果が得られるわけではないし、さらにいえば必ずしもリターンが得られるわけではない、ということです。

株価などは思ったとおりには動きませんし、予測が難しいのはプロであっても同じこと。過去の値動きなど、莫大なデータとノウハウを使っているとはいえ、将来を正確に予測することはできません。

最善の組み合わせを考えたつもりでも、結果が伴うとは限らないのです。

リーマンショックの際には、自身の判断で投資している人も、ラップ口座を利用している人も、多くの人が資産を減らしました。プロであっても、最善を尽くしていても、ノウハウがあっても、金融危機というような場面では損してしまうことが多いのです。どんなに優れた船頭さんでも、嵐の海では太刀打ちできないのです。

そのことはよくよく認識しておくべきですが、プロに任せるのだから損しない、ちゃんと儲かるなどと過信しがちです。リーマンショックのあとには、金融機関にうまいことを言われて騙された、退職金が減ってしまったなど、ショッキングな記事が週刊誌を賑わせましたが、投資に絶対はなく、必ずしも金融機関が悪いとはいえませんし、責任を問うこともできません。