コンサルティングと戦略づくり

人気の理由はともかく、ラップ口座とはどんなものなのか、利用した方がいいかなど、考えてみましょう。

運用を任せるのがラップ口座、と述べましたが、具体的には、スタート時に「どんな運用がしたいか」を利用者と金融機関の担当者が相談し、方針を決めます。資産の額や内訳、年齢、投資経験などから、どの程度のリターン(収益)を狙うか、どの程度の損失に耐えられるか(リスク許容度などという)を明確にしていくのです。

そして、それに応じて、「運用金額の半分は株式、もう半分は債券に投資する」「積極的にリターンを狙いたいから新興国の株式にも多めに投資しよう」など、「どんな資産に」「どんな割合で」投資するかが提示されます。

投資には、「卵をひとつの籠に盛るな」という格言があります。資産の全額を1社の株式に投資すると、その会社に何かあった時には資産がゼロになる危険性もあります。そうならないよう、1社ではなく複数の会社、株式だけではなく債券、国内に限らず世界など、投資先を分散させるのが投資の鉄則。ラップ口座でもその鉄則に沿って「分散投資」させるのです。

国内の株式、先進国の株式など、過去の実績などを参考に、各資産がどの程度の投資成果を生み出すかを推計し、期待する投資成果を得るための最適な組み合わせを考えてくれる、というわけです。

つまり運用の方針を決めるためのコンサルティングをしてくれて、運用の方針に合った投資先や配分の決定をしてくれるのが、ラップ口座なのです。