役員サポートで視野を広く

曽根氏が職歴の中で「毛色が違った」と言うのが、07年から5年間勤めた生産管理部企画グループ時代。役員を技術面からサポートし、会議やイベントで役員が使う資料を用意したり、関係者との調整を行った。

「畑違いの仕事でしたが、役員のそばにいて経営的な視点に接することができ、大変勉強になりました」

自分の専門に閉じこもらず、広い視野、高い視点を得られる異動は女性管理職を育てるうえで重要だろう。

それに大きな役割を果たすのが、女性だけが対象の「キャリア開発会議」という日産自動車独自の人事制度だ。

これは本人のいないところで、上司の課長、部長、人事、ダイバーシティデベロップメントオフィスに属するキャリアアドバイザーの4者が集まり、対象となる女性社員の「今後3年間の育成をどうするか」を話し合う会議だ。その人の強みや弱みを考慮し、アサイン、チャレンジを決める。6月と10月の2回、30分ほど意見を交わし、異動や出向、研修を考える。会議は女性の成長を支え、活躍の場を広げる。

撮影=二石トモキ