学生出産も1つの選択肢に

2014年6月、霞が関で働く女性有志から「霞が関の働き方改革」のための提案がなされました。「残業前提型ポスト」が多い霞が関では、今後3割を超える女性官僚が子育て期に入ると「人手不足」は必至。今のうちに「残業前提」の働き方などの改革に手をつけようとしています。

その提案の中に「年次管理の柔軟化」というものがありました。キャリアアップのために経験していかなければならないステップを育児休業等で、いわば「適齢期」を過ぎた場合であっても、特定の年次にとらわれずに踏んでいけるようにすべきだというものです。

まさに「年齢と仕事のリンクを断ち切る」提案です。長時間労働を減らすことに加え、これが実現されて初めて「産む」×「働く」×「活躍」が多くの女性にとって可能になるでしょう。

これからの世代にとって「大学在学中に産んでから就活」という道もあってしかるべきです。現に「内定中に妊娠したら、30歳まで就業猶予」という措置をとる企業もあります。

なぜこんなにまでして変えなければいけないのか? その答えははっきりしています。人口減少社会では、「日本人の人手不足」が目に見えています。有能な経営者ほど、性別に関係なく優秀な人材は優秀であり、彼女らの力を活用しないことには経営がうまくいかないことを知っています。

そして今の学生にアンケートをとってみると、「バリバリ一生働きたい」という一番やる気のある学生でも、半数以上が「早く結婚して出産したい」と答えています。これがかなえられない企業にはもう優秀な女性は集まらないということです。