――自動運転車など、将来の夢のクルマはどうなっていくでしょうか。

【ゴーン】現時点で、将来のクルマにはゼロ・エミッション、コネクテッド、自動運転の3つの要素があります。環境意識が高まっているので、価格が同じであればゼロ・エミッションのクルマが購入されます。特に若い世代はそうです。いまゼロ・エミッションといえば電気自動車です。コネクテッドカーは、オフィスや自宅ではコンピュータがあり、インターネットに接続されていて、いろいろな情報にアクセスできるのにクルマの中ではせいぜい電話のハンズフリー程度です。車中でもコネクテッドの環境が求められています。

われわれのいう自動運転は、自動といってもまったく運転しないクルマではありません。自分で運転する時間と自動運転の時間をコントロールするということです。将来的には、映画を見たり新聞を読んだり、子どもの世話をする間は自動運転に任せ、運転したくなったら自分で操縦するというようなことが可能となるかもしれません。こういった夢のクルマの開発にも、女性技術者の眼が生かされると思います。

カルロス・ゴーン
日産自動車取締役社長・最高経営責任者。1954年、ブラジル生まれ。78年、仏・国立高等学校卒業後、ミシュラン入社。ブラジルミシュラン社長、北米ミシュランの会長、CEOなどを経て96年ルノー入社。99年日産COO、2000年より社長に就任、01年より会長兼CEO。