
100年以上続くフランス発祥老舗レストランガイド
古都の桜を眺めてみたいと世界中から観光客が訪れる京都で、まさに開花宣言が出された3月27日、『ミシュランガイド京都・大阪2025』が発表された。フランスで1900年からスタートしたあまりにも有名な老舗レストランガイド(現在では世界45エリアを紹介)。日本では2007年から『ミシュランガイド東京』が、続いて2009年から『ミシュランガイド京都・大阪』が発行されている。この間、不定期で地方版も刊行されたが、毎年継続的に更新されるのはこの2エリア版となっている。
飲食業界の人間でなくても「星付きのレストランを予約したから行ってみない?」と言われると、ちょっとゾクゾクしてしまう。星、イコール、ミシュランスターのことであり、現在日本では「食べログ」「Googleマップ」『ゴ・エ・ミヨ』「アジアのベストレストラン50」「Retty」「OAD」など数多のレストランガイドが利用できるが、やはり断トツで業界外にも知名度や影響力を持つのは『ミシュランガイド』だなと実感することが多い。今回もいくつかの飲食店が星の数を増やしたり新たに星を獲得したりし、そこにはドラマがあった。

実は知られていないことだらけ
しかし、興味深いことにこの『ミシュランガイド』についてはあまり知られていないことも多い。筆者自身長く飲食業界を眺め続け、この有名すぎるガイドブックのこともなんとなく知ったつもりになっていた。ところが、3年前から実際に取材をするようになってからというもの、目から鱗が落ちること落ちること。今回は、新参者である筆者だからこそ興味を覚えた『ミシュランガイド京都・大阪2025』の着目ポイントをお伝えできたらと思う。
その前に、まずはざっくりと『ミシュランガイド』の特徴を紹介しよう。フランスで100年以上続く老舗ガイドだというのは冒頭でも触れたが、ご存知のように「ミシュラン社」というのは国際的に展開する一大タイヤメーカーだ。タイヤを売る会社がなぜレストランガイドを出しているかというところに、実は『ミシュランガイド』を理解する鍵が隠れている。
