ものごとの捉え方が変わったら感情は整う
しかし、そうした思いとは裏腹に、モヤモヤした気持ちはなかなか切り替えられないことも多いでしょう。落ち込んでいるときは、仕事や人間関係を前向きにこなすのが難しくなってしまうものです。
私はこれまで、5000回近くのカウンセリング面談(8割以上がビジネスパーソン)をしてきました。それこそ、小学生から60代までの男女、さまざまな人たちのご相談に乗ってきたのです。そこから、人はなぜ悩み、落ち込むのか? 困難を克服し、挫折から立ちなおるにはどうすればよいのか? そのカギといえるものが見えてきました。
失った自信を取り戻し、落ち込んだ気持ちを回復させる。そして、さらには気持ちを前向きにし、これまで以上の力を発揮する。そのために必要なのは何でしょう?
答えは「感情」にあります。
私たちが落ち込んだり不安になったりするときというのは、否定的な感情が起きているときです。悲しい、苦しい、怖い、さびしい、焦り、いらだち、無力感、絶望感……これらはすべて感情の状態です。
そしてこうした不安定な感情の状態が整うのに要する時間というのは意外に短いもので、ものの5秒もあれば、ガラッと変わるのです。
もちろん、そうした転換点に達するまでには、ある程度の試行錯誤は必要です。
しかし、そうした試行錯誤が確実に感情の安定をもたらすカギは、あなたのものごとの捉え方にあります。つまり、ものごとの捉え方が変わった瞬間、感情は一瞬で整うのです。
本書では、そのためにどんな捉え方をすればよいのかまで、お伝えします。
感情が整うためには、ものごとに対する自分の捉え方に気づくことがカギです。私たちは、自分がものごとをどう捉えているかについて、思いのほか気がついていないことがあります。無意識のうちに自分流の捉え方をしてしまっているものなのです。
※本記事は書籍『感情は「5秒」で整えられる』からの抜粋です。