中級編 解説

A1 ナッシュ均衡
新しく導き出した当たり数字に0.7を掛けていくと、最終的には「0」という数にたどり着く。この問題を合理的に考えていく限り、書くべき数は「0」だが、現実にはそうならない。これはゲーム理論の研究者ジョン・F・ナッシュにちなんで「ナッシュ均衡」と呼ばれ、収束値は集団により異なる。50の0.7倍は35だからそれより大きい(4)はNG。(1)はやりすぎで、現実には(2)ぐらいになる。
【1】0~15……10点
【2】16~25……6点
【3】26~35……2点
【4】36~50……0点

A2 最後通牒ゲーム
「経済人」を前提とする経済学の理論に従えば「1円」が正解。しかし現実には「没収されるよりはマシ」と納得できる人は少ない。このように2人の間でお金を1回だけ分配する状況は、ゲーム理論で「最後通牒ゲーム」と呼ばれ、世界中で繰り返し実験が行われている。各国の文化的背景などによって分配率は上下するが、最適となるのは350円前後の提案となることが多い。
【1】500円……0点
【2】300~499円……6点
【3】50~299円……9点
【4】50円未満……10点

A3 公共財ゲーム
これは「公共財(または共同出資)ゲーム」と呼ばれる実験だ。「経済人」ならば「0円」が正解。ほかの4人全員に出資させ、自分だけ出資をゼロにすれば、出資合計額は4000円となり、それが2.5倍されて1万円に増える。それを5人で均等分配するので、分配は1人2000円。ただで2000円が得られる。現実には、相手も「0円が一番いいのか」と行動を変える恐れがあるので、0円はリスキーだ。
【1】500~1000円……1点
【2】250~499円……6点
【3】1~249円……9点
【4】0円……10点

▼中級編3問の合計でわかる、あなたのタイプ

A……12点以下:お人好しでナイーブ
悪いことではないですが、“if you snooze, you lose.”(うたた寝をしていれば、あなたは負ける)。どうか自分の弱点を認識して。

B……13~20点:現実的で最適
相手の感情を読み込んだうえで、期待利得の最大化につながる選択です。損得勘定と現実社会とのバランスがとれている賢明な人。

C……21点以上:「経済人」すぎる
損得勘定ばかりで、相手の感情を考えない場面が多いです。感情で動く愛すべき人たちへの理解が深まると、もっとうまくいきますよ。