損をしたくないと思うあまり、知らぬ間に損をしていることがある。どうしたらその損を減らせるのか。行動経済学に沿って自分の数字力をチェック。

Q. 次の3つの新聞購読プランの中で選ぶとしたらどのタイプ?
[1]ネット版のみ 2000円
[2]印刷版のみ 5000円
[3]ネット版+印刷版 5000円

A. 「おとり効果」の罠にはまっています

getty images=写真

選択肢の[3]はネット版と印刷版の2つ合わせて通常なら7000円のところ、2000円引きの5000円という価格設定です。

実際にこの質問をあるグループに対して行ったところ、[1]は16%、[2]は0%、[3]は84%という結果になりました。[3]を得だと感じる人が多く、[2]を選んだ人はいませんでした。

ところが別のグループで[1]と[3]の2つの選択肢だけで質問を行うと、[1]は68%、[3]は32%と大きく異なる結果が出ました。最初のグループへの質問で[2]を選んだ人は0人でしたから、普通に考えると[2]という選択肢を設けなくても結果は変わらないはずです。

結果に違いが出たのは「おとり効果」が理由です。[1]と[3]だけの比較ではどちらが優れているかわかりにくい。そこに[2]という、[3]との比較が容易で、明らかに劣った選択肢を示すことで、[3]が圧倒的に選ばれたわけです。この場合の[2]はおとりなのです。

以上、行動経済学から人間が非合理的な判断をしやすい場面とその理由を紹介しました。非合理な判断による損を回避するには、必要以上に損を恐れないこと、前述したように市場価格を調べること、そして買い物にルールを設ける「ルール化」が有効です。

(宮内 健=構成 getty images=写真)

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