保険金額は少額、月々の保険料もリーズナブル
保険には3つのカテゴリーがあります。
1つ目は、保険業法によって規制を受ける生保や損保。
2つ目はJA共済や全労済など、根拠法(何らかの制度や施策を稼働するときに、その正当性<裏付け>となる法令のこと)のある共済。そして3つ目が、任意共済など根拠法のない共済です。
3つ目のカテゴリーは監督官庁がないため、かつてはトラブルがよく起きていました。そこで保険業法が改正されて、根拠法のない共済を運営する業者が新たに規制を受けることに。そうした経緯で誕生したのがミニ保険です。
ミニ保険は、正式名称を「少額短期保険」といいます。その名の通り、保険金額が少額で、保険期間が短いことが特徴です。
保険金額の上限は、損害保険で1000万円以下、死亡保険や疾病等を原因とする重度障害保険で300万円以下、医療保険で80万円以下です。
保険金額が少額なので、必然的に月々の保険料もリーズナブル。既存の生保や損保は保険料が高くて加入できない人も、ミニ保険なら入りやすいというメリットがあります。
保険期間は最長1年間(損保分野は2年間)。ただし、期間が満了しても加入条件さえ満たしていれば継続できる仕組みのものがほとんどです。
一般の生保や損保と大きく違うのは、破たんしたときの影響です。
生保の場合、保険会社が倒産しても、保険契約は生命保険契約者保護機構がいったん引き取り、その後に他の生保会社や引受保険会社に引き継がれます。保険金額が減額される可能性はありますが、原則的には同じ内容で保障が続きます。
一方、ミニ保険には契約者を保護する制度がありません。保険会社が倒産したときには、保険契約も保護する制度もないのです。もっとも、ミニ保険は保険期間が短く、貯蓄性がありません。倒産しても被害は限定的なので、極端に怖がる必要はないでしょう。