長崎造船所▼半世紀で世界の造船技術に追いついた「東洋の奇跡」
1.小菅修船場跡に現存する日本最古の蒸気機関を動力とする曳き揚げ装置
2.ジャイアント・カンチレバークレーン。現役で稼働する日本最古の電動式クレーン。高さ約62m、アーム部分の長さ約75m。最大150tの吊り上げ能力を誇る。
3.第三船渠の内部。1905年に竣工、当時東洋最大の船渠だった
長崎造船所は、徳川幕府により、日本初の本格的洋式工場「長崎鎔鉄所」として1857年に着工され、61年に竣工した。84年に「長崎造船所」と命名して、当社の祖業である造船事業を本格的に開始した。技術導入と人材の育成により、大型船舶の建造、タービンやボイラの製造などへと急速に事業を拡大した。急速な近代化を果たした進取の精神こそ、日本に脈々と流れる競争力の源泉であり、それを形として表す各構成資産は、誇りを持って未来へ引き継ぐべき財産であると考える。(三菱重工会長 大宮英明)