超過密スケジュールにこっそりつくる何もない時間

会議などアウトプットの時間が続く過密スケジュールの中でも、インプットの時間は欠かさない。1人になる時間をしっかり確保している。

「若い頃から毎週金曜の午後には1週間を振り返り、翌週の予定を立てる時間を取っています。そのときにすでに埋まっている予定の合間を見て、やらなければいけない資料作成などの作業時間を入れて空白の時間を埋めます。スケジュール自体から、その週のアウトプットが見えてきます」

さらに月曜日の朝一番でアシスタントとその週の予定を確認する。アシスタントには、担当しているプロジェクトについて進捗を適宜伝えるようにしているため、その時々で平井氏が優先すべき予定を理解して会議などを組んでくれる。

時には予定が重なることもあるが、「あえてダブルブッキングは恐れない」。予定が並ぶと、自然と優先度が見えてくる。「かぶらなければ2倍の時間を割いていたかもしれないことが、重なったことで一つに絞れ、時短にもつながります」と理由を話す。

「スケジュールは、会議や打ち合わせなどだけではありません。私は、作業時間や思考を整理する時間を予定として自分で設定しています。他人からセットされる予定に振り回されていては、時間はどんどん過ぎていきます。自分で自分の時間をコントロールできることは、人生をコントロールすること。これは、仕事にも通じます。仕事に巻き込まれるのか、巻き込む側になるのか、どちらになるかは自分が決めているのです」

こんなに予定が詰まっていても、重視しているのは「何もない時間」をつくること。「作業」の中から時間を取ってぼーっとしたり、ラウンジやカフェでコーヒーを飲んだりしていることもあるという。

「感動やイノベーションを生むのは、ゆとりある何もない時間。深夜にiPadを持ってワインバーで一人時間を過ごしたり、ジムで筋トレして頭を真っ白にするのも大事です」