人種の坩堝に見るダイバーシティ

私は「郷に入れば郷に従え」で、いつもその組織の人間になろうと努めます。日本人だからといって“お客様”のつもりでは働けないのです。

アメリカ本社にあったダイバーシティの取り組みにも積極的に参加し、私はアジア系アメリカ人のダイバーシティグループに所属し、若い社員が辞めないようにメンター役となったり、トレーニングに積極的に参加したりと、組織の役割も積極的に果たしました。

日本企業でダイバーシティといえば、まだ女性が主な対象ですが、アメリカではヒスパニック、アフリカンなどのマイノリティーも対象になります。例えばヒスパニックは、マイアミなどで大きなコミュニティーができて、ラテン・アメリカの文化が広がっている。彼らを深く理解し、商品に活かさなければ、シェアはのびません。

私たち日本人はモノカルチャーで育ちますから、コミュニケーションでも相手に理解されるのが当然だと思っています。同じアジア人という括りでもインド人、韓国人、中国人のハングリーさは、日本人にはなかなか理解できない。グローバル時代には、カルチャーが違う人たちにどうインフルエンスしていくかはとても重要になります。私は男女の雇用にも関心はありますが、これから日本人がどのように世界へ出ていくかにはもっと興味があります。