「運営の苦労」はいろいろ

実は、父母会はその成り立ちによって、ずいぶん性格が違います。

私立保育園などでは、保育園が父母会活動を支援している場合も少なくありません。父母会と園がよいパートナーシップを築けている園もある一方で、園の支配が強すぎて活動がほとんど園行事のお手伝いになっている場合もあります。そんな園の父母会役員は、ぜひ園とのコミュニケーションを深め、自分たちの意見やアイデアを少しずつでも園に伝えていくことをお勧めします。そんな積み重ねから、保護者の意見を園に伝える仲介役としての父母会の役割が認められていくはずです。ただし、要求型ではなく、信頼関係をベースにした相談型の対話のほうがうまくいくようです。

公立保育園では、自主的で活発な活動をしている父母会も少なくありませんが、一方で自治体や園の支援がなく、ひどいときは妨害を受けて、活動が低迷してしまった例もありました。これからの時代、公立保育園はもっと父母会を大切にしてもいいのではないかと思っています。なぜなら、地域のつながりがあって住民の自主性が高いほうが、安全で住みやすい地域環境は実現しやすいわけですし、少子高齢化社会の行政サービスの今後を考えれば、とても重要な環境づくりだと思うからです。そんなことを念頭に、市区町村にも父母会の重要性を訴えることも、今後は必要になると思っています。