早期育成+晩期育成

しかし年齢と仕事のリンクがなければどうでしょう? あるワーキングマザーが言っていました。「子ども3人産んで、今の40代が働き時と思っているんです」

30代は子育てで少しペースダウンしても、40代または50代は活躍できる。やる気もある。子育てが終わっても10年20年、まだまだ働ける。しかし日本のように「年齢と仕事のリンク」が強いと、「産み時、子育て期」と「修行期から活躍期」が重なる女性たちは、なかなか活躍できません。

早期育成(女性社員は5年ぐらいで育成し、出産後になるべく早くに通常勤務に戻ってもらうという方式)があるなら、晩期育成もあってもいいと思います。年齢と仕事と役職などのリンクを切れば、子どもを持つ女性だけでなく、高齢者なども活躍できます。

ライフネット生命 総務部部長代行の佐藤邦彦さん

ライフネット生命では「普通に中途採用をしていると、採用したら60歳だった」ということもあるそうです。同社総務部部長代行の佐藤邦彦さんは次のように説明してくれました。

「年齢と性別にこだわりません。ベンチャー企業が創業時に人を集めるのは結構大変です。それもコンセプトやサービスに共感してくれて『一緒に働きたい』という思いの人に来てほしい。そうなると年齢や性別は全く関係ありません。たまたま30歳でも60歳でも、『必要な人材』ならいいのです。年齢に仕事や役職がついてくる日本の仕組みに、あまり意味はないと思っています」

27歳で新卒扱いで入社した人もいるそうです。大学に5年、卒業後に海外に行っていた原子力専攻の人材で、彼には新人としての育成コストをかけています。このような会社なら、学生時代に産んでから入社する「子育て後新卒」も可能かもしれません。