「女性に優しい会社」ではない

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データで見るライフネット生命

女性比率は88名中36%ですが、ライフネット生命にはマネジャー以上の女性が18名もいます。性別に関係なく「活躍する」企業ということです。

また「定年は設けない」というのも、ユニークなところです。若手ばかりのベンチャーではなく、創業時に50代60代の業界の管理職経験者も随分と入社し20代から60代までが働いています。

「今、65歳を超えて週3日勤務という方もいますよ。報酬も働き方もそれぞれの契約で決まっています」(佐藤氏)

現在産休中の女性が4名いて、時短の人もいる。もともと同社は、求められる成果を出せば5時半に帰ってもOK。10時から15時半のコアタイムを利用して、どういう時間帯で仕事をしてもいい。

「これは決して女性に優しいということではない。時短(短時間勤務)でも周りがカバーするということはありません。成果を求められる分、逆に厳しいと感じる人もいるかもしれません。結果を出すために時間のボリュームが増える人もいます。金融機関なので持ち帰りの在宅勤務はできないのですが、子育て中の人の集中力はすばらしいものがありますね。そんな優秀な人材は、代わりが効かない。だったらその人がお子さんを持ったら17時に帰っていただける風土を作る、ということなんです」(佐藤氏)

制度が先行するのではなく、最初に必要な「人材」ありきという考え方です。それぞれが仕事をこなして、それぞれのスケジュールで成果を出す。育休復帰後のワーキングマザーにとっては、周りに気兼ねすることもない。良い環境といえます。

恒例の行事となっている「ライフネットファミリーDAY」には社員の家族が大勢参加。子どもたちが出口会長のところへ「りんぎしょ」を持ってハンコをもらいに行く「おしごとたいけん」も。

「社長も30代ですし、上司も40代の子育て世代。上司が『子どもが熱を出したから早く帰ります』という会社です。子育てに理解ある上司が率先して空気を作っています。誰もが会社に依存しない。子育て中や介護中の人も満足度高く働けるように工夫する風土があります」(佐藤氏)

育休からの復帰後はどのように働くことになるのか、佐藤さんは続けて説明してくれました。

「基本はもとの部署に戻ることになりますが、一年で目まぐるしく環境が変わるベンチャーなので、そこは本人との相談になりますね。また、『裁量労働』を選べば報酬は変わりませんが、『時短の勤務形態』を選べば報酬は減り、その代わりに残業代は出ます。どの形態を選ぶか、どのタイミングで時短から裁量労働に戻すか、そこは上司との相談の上となります」

柔軟な働き方や風土はあり、そして人の入れ替わりが激しいベンチャーとしては珍しく「長く働いてほしい」というのがライフネット生命の流儀なのだと佐藤さんは言います。

「長いスパンで考えれば、子どもができて、しばらく『働き方に配慮しないといけない』という期間があってもいいと思っています。しかし決して無理はしてほしくない。中には卒業していく人もいますし、逆に戻ってくる人もいます」