“仏と毒”の使い分けで部下に自信をつけさせる
「嫌われてもいい」という独特の哲学のもと、常に「ビジネスとして正しいことをする」という姿勢を貫く森岡だが、組織にとっては新参者である。さまざまな変化を要求しつつも部下からの支持を得る、どんな秘策があったのか。
「部下が私のことを『ダースベーダー』、(CEOの)グレンのことを『シス』とたとえている場に出くわして、トイレの個室から出られなくなったこともあります(笑)。私のように豪腕強引なプッシュ型リーダーシップの最も気をつけるべきは、自分の作り出す壮絶な熱量によって周囲を焼き尽くすことがないように細心の注意をはかること。秘策というほどではありませんが、自分一人では何もできないことを肝に銘じ、感謝だけは忘れないようにしています。感謝の心が根本にあれば、自ずと部下たちの“仏の部分”が見えてくるのです」(同)
“仏の部分”とは、長所のこと。森岡は、意識的に声に出して部下の長所を褒めるのだという。“自分の長所が認められている”と感じられれば、激烈な彼のキャラクターの下でも、歯を食いしばって頑張る部下は多いのだ。