介護プランを具体化する「ケアマネージャー」

後で知ったことですが、社会福祉士は福祉に関する相談に応じ、助言や指導を行う専門職です。我が家の置かれた状況を見て、すぐに介護できる体制を作らなければならないと判断したのでしょう。

社会福祉士が「すぐ呼ぼう」と言った主任ケアマネージャーは居宅介護サービスの計画(ケアプラン)を作成し、必要な介護サービスを提供するため、その事業者に連絡、調整などを行う専門職。介護を具体化する役割といえます。

ひとことで介護といっても、家庭によって置かれた状況はさまざまですし、介護の形態は異なります。まず要介護者の状態。体は動くが認知症のある人もいる。認知症はなく意識はしっかりしているが、体の自由が利かない人もいる。体と意識の両方ともが衰えてしまっている人もいる。また、介護度が要支援1から2、そして要介護1から2というふうに徐々に進行する人もいれば、何かをきっかけに一気に要介護になる人もいるわけです。

さらに介護する側の事情にも違いがあります。親と同居しており介護の手があるケース、同居しているが仕事などの事情で自力での介護が難しいケース、別居だが家が近くで介護に通えるケース、家が遠くて介護は無理というケースなどです。

ケアマネージャーはそうしたさまざまな状況や事情に応じて必要な介護サービスを選択し、ケアプランを立てるわけです。

ちなみに我が家の場合、自宅にいる時間も多いライターという職業の私が介護できることを踏まえ、ケアマネージャーがケアプランを作ることになったのですが、介護認定などをめぐるやりとりは介護初体験の私には、何もかもわからないことばかりなのでした。

相沢光一(あいざわ・こういち)
ライター。1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。
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