流出した個人情報とSNSが結びつくリスク
一方、銀行などでは免許証画像と顔写真の照合による本人確認がまだ認められている。この方式が廃止される来年4月1日までは、不正な口座開設の懸念が残る。ただし、免許証画像だけで直ちに開設できるという意味ではない。
他サービスへの不正ログインにも注意したい。タイムズモビリティはパスワードを復元できない形式で保管したと説明する。ただし、氏名や生年月日などを使って本人を装い、別サービスの認証情報を盗み取ろうとする詐欺は考えられる。パスワード自体が漏れていなくても警戒が必要だ。
見落とされがちなのが、ネットの外での悪用だ。流出した氏名や住所は、強盗や空き巣の標的を選ぶための材料にもなりうる。犯罪グループの間では「闇名簿」と呼ばれる名簿が出回っており、家族構成や資産状況まで書き込まれたものもあると聞く。
政府も2023年3月、SNSで実行犯を募る強盗や特殊詐欺の増加を受け、個人情報の流出を防ぐ「闇名簿」対策を強化するとした。
情報が漏れたら、まず何をすべきか
既に流出してしまったものを取り戻す手段はない。今からできるのは、二次被害を生み出さないようにすることだ。
フィッシング対策の基本は、メールやSMSのリンクを安易に開かず、公式サイトやアプリから通知を確かめることだ。カードの利用通知を有効にし、証券口座など金銭に関わるサービスでは二段階認証を設定したい。
日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センターへの「本人申告」も選択肢だ。信用情報の照会時に注意喚起できるが、不正契約を自動的に止める制度ではない。各機関で手続きや対象範囲を確認したい。
パスワードの使い回しも避けたい。一つのサービスから漏れた情報を使って別のサービスに侵入される恐れがある。証券口座を乗っ取り、取引量の少ない株に買い注文を出して株価をつり上げる悪用も確認されている。

