ドローンから逃れることは至難の業

戦車射撃は、戦車から目標が視認できることが大前提だ。戦車砲弾は高性能FCS(射撃統制システム)により、弾道に影響する諸要素をコンピューター処理して、戦車砲から発射されて弾道に沿って目標に向かう。

砲弾自体には弾道を修正する機能はない。発射位置と目標位置は相当な距離――状況により1500メートル前後――があり、発射時のデータとの差が生じるのは避け難く、必ずしも初弾が目標に命中するわけではない。

木元 寛明『AIドローン戦争 現代戦を一変させる恐怖の兵器』(宝島社新書)

一方、FPVドローンには決まった弾道がなく、いわば操縦者の自由意思で、自由な経路で、障害があればこれを迂回うかいし、目標を捜索し、発見し、操縦者が望ましいと思う位置を精密攻撃できる。

敵が存在しそうな場所で、発射時には目標が見えなくても、誘導中に発見すれば、即攻撃が可能だ。端的にいえば、FPVドローンは、いかなる目標であれ、発見すれば攻撃し、しかもほとんど100パーセント命中させる。

逆にいえば、戦場で敵ドローンに見つかると、回避することは至難の業で、撃破される運命にあるということ。ウクライナの戦場では、戦車であれ、装甲車であれ、一般車両であれ、見つかり次第FPVドローンの餌食えじきになる。

検索時にプレジデントオンラインに関連する記事が表示されます

【関連記事】
だからプーチンは北方領土を手放さない…「逆さ地図」で見えてくる、択捉島・国後島の本当の価値
差別はなかった、でもモバイルバッテリーは7回盗まれた…日本人義勇兵が見た「プーチンの軍隊の実情」
日本人に突出して多いのはA型だが韓国は全く異なるのはなぜか…"血液型に刻まれた人類の進化と適応の歴史"
異民族に3000人の皇族が連れ去られ、収容所送りに…「戦利品」になった女性皇族たちがたどった悲惨な結末
「秀吉と一緒になるのがイヤ」ではない…お市の方が柴田勝家との自害を選んだ"現代人には理解できない"理由