ふらりと出かける日帰り入浴も

実は同館では、日帰り入浴施設の要件を満たす工事を行うため、2025年1月から約1年5カ月にわたって日帰り入浴を休止していた。しかし現在は営業を再開している。

休止期間中には、浴室の床を木からタイルへ変更し、脱衣所に鍵付きロッカーを設置。さらに、湯口からの飛沫を防ぐため、浴槽底部から給湯できるよう配管設備も改修した。

この改修にあたってはクラウドファンディングも実施したという。

「目標額の半分しか集まりませんでしたが、それをきっかけに取材が入り、注目を集めました。その後、厚木市の補助金を活用でき、無事に再開することができました」(山本さん)

休止期間中に問い合わせた人のなかには、「まだ日帰り入浴はできない」と思っている人もいるかもしれない。首都圏から気軽に足を運べる距離だからこそ、思い立った日にふらりと出かけ、秋色に染まる里山と湯を楽しむ小さな旅に出かけてみてはいかがだろう。

元湯 玉川館の入り口
筆者撮影
元湯 玉川館の入り口

元湯 玉川館
住所:神奈川県厚木市七沢2776
電話:046-248-0002
客室数:8室
料金:1泊2食(1室2名利用時)1人2万170円(料理控えめプランは1万6870円)〜
立ち寄り入浴:1200円(11時30分〜17時受付、月・土・日曜、祝日は〜15時受付)、ショートデイコース6600円
アクセス:小田急本厚木駅からバスで約40分の七沢温泉下車、徒歩2分、車なら新東名高速道路伊勢原大山ICから約10分


▼ 7項目の評価
・東京駅からの近さ:◎
・コストパフォーマンス:◎
・部屋食/個室での食事:△
・館内の移動:△
・紅葉の見え方:○
・温泉の質・使い方:△
・送迎の有無:△
合計 12点

最大8人で泊まれる古民家離れ

【上屋敷 平の高房(栃木県・湯西川温泉)】

3世代の家族が同じ部屋でゆったり過ごしたいなら、栃木県・湯西川温泉の「上屋敷 平の高房」がおすすめだ。この宿は平家落人伝説が残る湯西川温泉の最奥にある。

館内に足を踏み入れると、まず天井の高さに目を奪われる。材木商だった創業者ならではというべきか、樹齢300年以上のケヤキをはじめ、選び抜かれた銘木が惜しげもなく使われている。簡素でありながら力強い佇まいは、華美な装飾ではつくれないものだ。

紅葉の時季、ロビーの大きな窓の向こうには赤や黄色に染まった木々が視界いっぱいに広がる。都会のホテルにはない、自然に抱かれるような安堵感がここにはある。

なかでも家族連れに推薦したいのが、高台に立つ古民家離れの「閑静かんせい亭」だ。18畳の主室に加え、6畳の和室、6畳のベッドルーム、5畳の板の間を備え、最大8名まで宿泊できる。

「閑静(かんせい)亭」。18畳の主室、6畳の和室、6畳のベッドルーム、5畳の板の間。最大8名まで宿泊可
筆者撮影
「閑静(かんせい)亭」。18畳の主室、6畳の和室、6畳のベッドルーム、5畳の板の間。最大8名まで宿泊可
筆者撮影 高台に立つ古民家離れの「閑静亭」。客室には大きな専用の半露天風呂がある
筆者撮影
高台に立つ古民家離れの「閑静亭」。客室には大きな専用の半露天風呂がある

客室には大きな専用の半露天風呂が付いており、一晩中好きなときに湯浴みを楽しめる。家族だけの時間を気兼ねなく過ごせるのは大きな魅力だ。ただし、高台にあるため客室まで階段を上る必要があり、足腰に不安のある人にはあまり向かない。階段の利用を避けたい場合は、駐車場からほぼフラットにアクセスできる古民家離れの「望郷亭」がいい。こちらは源泉かけ流しの内湯に加え、客室内にサウナを備えている。