「休肝日」をつくるのは効果的か
現在の私は週7日のうち5日はお酒を飲み、2日は「休肝日」にしています。
では、休肝日には本当に意味があるのでしょうか。同じ量を1週間に飲むとしても、毎日続けて飲むより、飲まない日を設けたほうがよいという可能性があります。
日本の大規模コホート研究では、週に300g以上の純アルコールを摂取する男性のうち、週5~7日飲む人では死亡リスクの上昇がみられた一方で、週4日以下では明らかな上昇はみられませんでした(※2)。肝硬変についても、総飲酒量が同じなら、毎日飲む人のほうが、飲まない日を設けている人よりリスクが高いとするメタ解析があります(※3)。ただし、これらは主に観察研究です。「2日休めば、その分を残りの5日に飲んでも大丈夫」と証明されたわけではありません。
私は、休肝日を「飲酒習慣をいったん断ち切る日」と考えています。毎晩、決まった時刻になると、特に飲みたいわけでもないのに反射的に缶を開ける。飲酒には、こうした「惰性」があります。週に何日か飲まない日をつくることは、その惰性から距離を置くきっかけになります。ただし、健康への影響を最も大きく左右するのは、休肝日の有無よりも、1週間に飲むアルコールの総量です。2日休んだ安心感から、残りの5日にたくさん飲んでは本末転倒だということは覚えておきましょう。
※2 Patterns of alcohol drinking and all-cause mortality: results from a large-scale population-based cohort study in Japan - PubMed
※3 Liver holidays? A meta-analysis of drinking the same amount of alcohol daily or non-daily and the risk for cirrhosis - PubMed
医師でも守れていない飲酒の指針
さて、次は飲酒量です。私は、外で飲むときは原則として2杯までと決めています。健康への悪影響もありますが、酔って転んだり、財布やスマートフォンをなくしたりする事故を避けるためでもあります。泥酔は、身体的にも社会的にも割に合いません。2杯までなので、誰かに誘われない限り「飲み放題」にはしません。いいお酒をゆっくりと味わいながら飲むのがいいのです。
一方、家では、晩酌のビール1杯に、その後さらに1~2杯飲むことが多いです。純アルコール量に換算すると、飲酒日にはおそらく40~60gを摂取しています。
国民の健康寿命を伸ばすための指針である「健康日本21(第三次)」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日平均で男性40g以上、女性20g以上としています(※4)。5%のビール500mlで約20g、15%の日本酒1合で約22gですから、40gには意外と簡単に到達してしまいます。
私の場合、飲む日の量は明らかに男性40gの線にかかっています。率直にいえば、私自身も「アウト」です。医師だからといって模範的な飲み方ができているわけではありません。患者さんに「お酒の量を減らしたほうがいいですね」と話しながら、いったいどの口が言っているのか、と自分でも思っています。
※4 厚生労働省「健康日本21(第三次)」

