電子版で復刻された「私の履歴書」
角栄が好きだった作家は国木田独歩、高山樗牛、姉崎嘲風、久米正雄。そして徳冨蘆花の『思出の記』を「忘れることのできない1冊」に挙げている。
1901(明治34)年に発表された『思出の記』は、没落した旧家の1人息子が、落ちぶれようとも誇り高く生きようとする母と、みじめな現実の間で葛藤する物語である。
「今太閤」と呼ばれ、下剋上人生を体現した角栄がいかにも好みそうな小説だが、こうした少年時代の乱読が、角栄の文才の土台となったことはおそらく間違いないだろう。
60年を経ての「復刻」
角栄が「私の履歴書」に登場してから60年の歳月が流れた。
日本経済新聞社は今年2月、電子版で角栄の連載を復刻。有料読者向けではあるが、伝説の「私の履歴書」を手軽に読み返すことができるようになった。(https://www.nikkei.com/topics/25071502)
田中角栄の色褪せぬ物語はいまなお、日本人の心のなかに生きている。

