せっかく住宅を買うなら、資産価値が上がる町を選びたいもの。過去10年のデータと、今後の都市開発計画から、「これから値上がりする町」を予想する。
消費税増税後に大きな動きが
中京圏のランキングでも都心部の強さが目に付き、15位までの3分の2は愛知県名古屋市内となっている。
「名古屋市内では名城線の内側が強く、静岡県も同様。また、ランキングには松阪市しか挙がっていませんが、三重県津市、四日市市、岐阜県各務原市など、首都圏でいえば大宮や横浜のようなサテライト都市も、比較的価格の変動が少ない場所です」(東京カンテイ・中山登志朗氏)
とはいえ、名古屋市内の将来には変化もありそうだ。現在トップになっているのは、県庁があり、栄などの繁華街が集まる中区で、それに次ぐのは隣接する千種区。そのうち、中区では中心部の栄、伏見の2カ所で現在大規模な再開発が行われている。
「名古屋市内中心部ではそれらに加え、名古屋駅付近においても大規模再開発の動きが見られ、栄、伏見の大規模再開発とともに、消費税増税後と同じくらいの時期の発売が予想されます。大手商社、ハウスメーカーなどが手がける栄、伏見の供給量だけでも、現在の区の年間供給量に匹敵する規模であり、これらによって住宅市場と、その相場が変わるかもしれません」(エーシーアイ・栗崎始弘氏)
消費税増税を睨み、市内では小中規模のマンション建設が進んでおり、市場は飽和状態。そこに1棟で区の年間供給量に匹敵する量、そして首都圏仕様の質の物件が供給されることになり、その価格次第では市場全体の価格の下落なども想定されうるというのである。
その一方で、中区と隣接し文教地区としても人気の高かった千種区の下落も考えられる。価格が高くなりすぎていることに加え、高齢化が進んで人口も減少しており、県外からの評価はいざ知らず、地元での人気はいま一つ。となると、どういうことが起きるか。変化に注目したい。