「厄介でタフな国」に、日本大使は8カ月空席
日本はどう対峙すべきか。中国商会総会が書簡で訴えた内容は、日系企業が日常的に抱いている不満と共通している。韓国や欧米の商工会議所と連携して投資環境の改善に動くのは重要だ。日本の大手メーカー幹部が次のように話すのは当然だろう。
「中国商会総会は書簡で40万人の雇用に影響が出ると言っているが、日本は600万人の正社員雇用を創っている。もっと自国の利益を主張していいはずだ」
令和7年10月31日(現地時間)、APEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議出席等のため韓国の慶州を訪問している高市総理は、APEC首脳会議(第1セッション)に出席(写真=首相官邸/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons)
また、29年にプラボウォ氏の再選がかかった大統領選挙があることも見逃せない。先の外務省関係者は「今回中国が不満を関係者を通じて裏から伝えるのではなく、表に出す形で伝えざるを得なくなったのは、インドネシアの中国ロビーがプラボウォ政権中枢と切れたから」と説明。その上で、プラボウォ政権の2期目の選挙が迫っていることについて「中国は自国に都合の良い候補を後押しするための工作を進めている」と述べる。
こうした状況下で、日本政府が今から情報収集などのロビー活動を強める必要があるのは言うまでもない。だが、致命的なことに、現場指揮官の駐インドネシア日本大使は2025年10月から空席となっており、次席公使として明珍充氏が臨時代理大使を務めているが、約8カ月空席の現状では難しい。高市早苗首相には1日も早く新しい大使を任命すべきだろう。さもなければ中国でさえ手に余る「厄介でタフな国」と渡り合うことなどできるはずがない。
(参考:時事通信社「駐インドネシア大使、異例の空席 安保局長人事の余波で」)

