最悪のシナリオは選挙期間中の金利急騰

高市総理が記者会見を行う直前、片山さつき財務大臣は訪米してスコット・ベッセント財務長官と会見し、行き過ぎた円安に関して為替介入を行うことへの理解を得たようだ。協調介入が行われる可能性も意識されたことで、円安ドル高の流れは1ドル=160円を目前として止まっている。このことがかえって総理の危機感を弱めたのかもしれない。

ただし、そのベッセント財務長官からも、日本に対して長期金利の安定に向けた動きを取るように注文がついている。米国の長期金利は、グリーンランドを巡る欧州諸国との対立もあり、上昇基調を強めている。これ自体は米国の責任だが、そこに日本発の金利上昇圧力が加わったことで、米国ひいては世界の国債市場が不安定さを強めている。

日本の金利が一段と上昇すれば、日銀が国債を購入してその安定に努めるだろう。トラスショックの際も、イングランド銀行が国債を購入している。とはいえ、中銀による国債購入は本質的には通貨安要因だ。英国の場合、中銀が止血に注力しているうちに、トラス元首相は減税計画を撤回した。早期の対応で済んだため、傷も浅かったのである。