結果として英国が経済的に成功した
最後に、東インド会社の利益を奪ったのは、英国政府そのものであったことを指摘しておきます。1815年から1823年までの同社の財務諸表は、「植民地部門」と「商業部門」に分けられます。そこでは、商業部門の利益(2101万ポンド)で、植民地部門の損失(1919万ポンド)がまかなわれていく様子がまざまざと見えるのです。
こうしたことから、東インド会社の利益率が低い理由は、シッピング・インタレストはもちろんのこと、カントリー・トレーダー、英国政府などに利益を奪われていたためだといえます。なにしろ独占企業ですから、東インド会社自体の利益を極大化することはいくらでもできたでしょう。ふつうなら、造船業や小売業にも投資して、自分たちの会社を大きくしようと考えるはずです。
しかし彼らは、船員のプライベート・トレードを副業として認め、カントリー・トレーダーを育て、シッピング・インタレストや小売業者をしっかりと儲けさせるしくみをつくりました。そうやって民間を広く巻き込んだことには、大きな意義があったと思います。民間人たちが自由競争でビジネスを展開したことで、英国の資本主義は大いに活性化されました。英国の経済的な成功は、東インド会社がなければあり得なかったのです。
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