危険な暴力行為に走る人は「遊びの経験」が少なかった

ブラウンは研究助成金を確保し、遊びの意味をさらに探りつづけました。殺人をおかして刑務所に入っていた複数の男性受刑者にインタビューをして、彼らのバックグラウンドを、犯罪歴のない対照群の人々と比較しました。同時に、研究者としての職務の一環として、重大な運転違反で有罪になったのちに自動車事故で死亡した人々の経歴をまとめました。

この調査によって、受刑者と違反運転者のあいだの驚くべき類似が見えてきました。どちらのグループも、それぞれの対照群と比べて、幼いころにそれほど遊んでいなかったのです。この発見により、危険行動や暴力行為をする傾向のある人々には、遊びの経験が著しく不足していることが明らかになりました。

喧嘩する子供たち
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ブラウンは次のように述べています。「わたしが研究対象とした殺人者たちのなかに、友達と取っ組み合いの喧嘩をしたことのある人はひとりもいませんでした。こうしたノーマルな範囲での喧嘩や、ときに対立しながらも友達関係を保つ能力というのは、動物にも人間にも欠かせない基本的な要素のひとつなのです」。