スーパーマーケットはなぜカレーのルーの特売をやるのか

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自分で買い物をする読者ならご存じだと思うが、スーパーマーケットでは定期的にカレーのルーの特売をやる。日頃300円で販売されているルーが280円で売り出されていると、わずか20円の値引きでも、いかにも安くなっている印象を受けるものである。

では、スーパーは顧客に奉仕するためにカレーのルーの特売をやっているのかといえば、もちろんそんなことはない。そういう奇特なスーパーも希に存在するかもしれないが、多くの場合はきっちりと得か損かを見極めたうえで、商売をしているものである。

それは、カレーのルーという、商品の特性を考えてみれば、すぐにわかるだろう。

当たり前のことだが、カレーはルーだけでは作れないのだ。肉、玉ネギ、ニンジン、ジャガイモなど、実にたくさんの具材を投入して作る。つまりルーが売れれば、こうした具材も同時に売れるのだ。だから、スーパーは定期的にルーの特売をやるのだ。

では、ルーの特売をやっているとき、肉や玉ネギの特売も同時にやっているかといえば必ずしもそうではない。300円のルーを20円値引きしても、たくさんの具材の売り上げによってそれを挽回できれば、スーパーとしては御の字というわけである。

小宮一慶●1957年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業後、東京銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行。米国ダートマス大学エイモスタック経営大学院留学(MBA)。96年小宮コンサルタンツを設立。著書に『1番わかる!ロジカルシンキング』(PHPビジネス新書)、『ビジネスマンのための「数字力」養成講座 』(ディスカヴァー携書)など多数。
(構成=山田清機 撮影=市来朋久 写真=PIXTA)
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