あえて危険な場所に赴くワケ
先のゴミの山での一幕は、ロマニ語研究を目的としたフィールドワークの一環だ。ロマは貧富の差が激しく、豪邸に住むような大金持ちもいれば、先のようにゴミの山に住む戸籍も持たない貧しい人もいる。
角さんが生きたロマニ語を研究するために接するのは、圧倒的に後者が多い。時には、犯罪が横行していたり、野犬がウロウロしていたりする危険な場所を訪れることもある。しかし、当の本人は「町はずれの孤立した地域にあるロマ・コミュニティの方が伝統文化をよりよく保存していることがある。なので、普通の人が行きたがらない場所は、かえってフィールドワークしやすいです。それに、フィールドワークは相手といかに打ち解けるかが重要なので、危険な目にあったら失敗ですから」と意に介す様子はない。
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