「過剰診断」によるさまざまな害
さて、がんの早期発見は常によいこと、がん検診の項目は多く受けたほうがいいという誤解はよくみられます。「がんだったら困るから、少しでも可能性があるならわかったほうがいい」と思う人もいるでしょうが、そうではありません。がん検診自体にも身体的な負担があり、さらに過剰診断には以下のような害があります。
①身体的な害
がんと診断された場合、一般的には手術や放射線、抗がん剤による治療が行われます。いずれも体に負担がかかります。その影響は一時的なものにとどまらず、後遺症として残ることも。たとえば前立腺がんの手術後には排尿障害、甲状腺がんの手術後には反回神経麻痺による嗄声(声のかすれ)が生じることがあります。治療しなければいずれ症状が出て命を奪うがんであれば、治療に伴う負担は仕方のないものですが、過剰診断の場合は結果的には必要のない治療です。
②心理的な害
がんの種類によっては、すぐには手術や治療を行わず、定期的な検査で経過を観察する「積極的監視」という選択肢もあります。これにより身体的な害を避けることはできますが、がんがいつ進行して治療が必要になるかわからないため、「本当に治療しなくて大丈夫なのか」「次の検査では進行しているかもしれない」といった不安が常につきまといます。
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